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島で実現させたワーク&ライフ…増田茂樹さん 理絵さん

島で実現させたワーク&ライフ…増田茂樹さん・理絵さん

兵庫県→大三島 | Iターン 島暮らし 起業 ゲストハウス経営・テレワーク

増田 茂樹・理絵(ますだ しげき・りえ)
オオミシマワークス合同会社/2016年移住/広島県出身(茂樹)・大阪府出身(理絵)

夫の茂樹さんはウェブシステムのプログラマー、妻の理絵さんはUXデザイナーというIT系なお二人。大阪の企業に所属しながら、しまなみ海道沿いの大三島へ夫婦で移住。テレワークで仕事を続ける傍ら、一棟貸しの宿「オオミシマスペース」を島にオープンさせる。現在はコワーキングスペースと宿泊が融合した2つ目の宿も計画中。

 幹線道路沿いにポツリポツリと昔ながらの家々や柑橘畑が並び、瀬戸内海らしい穏やかな海が広がる。そんなのどかな場所に、オオミシマスペースはある。外から見れば、あたりによく見かける古民家だが、一歩中へ入ると雰囲気が一変する。美しくリノベーションされた室内には、43インチの高画質な4Kモニターや、アイデアを膨らませるための壁一面の黒板が整えられ、もちろんインターネット環境も申し分ない。ここは「仕事ができる宿」。高齢化が進む大三島に、若者やテレワーカーを呼び込もうと2017年にオープンした。以来、仕事で滞在する人や、移住先を探しながら来る人など、さまざまな人がやってくるという。

 そのオオミシマスペースを立ち上げたのが、兵庫県から移住してきた増田茂樹さんと理絵さんご夫婦。お二人とも移住前から大阪のIT関連企業に勤務し、仕事はそのままに大三島への移住を実現させた。現在もテレワークを実践しながら、オオミシマスペースを運営している。“IT系=無機質”という勝手なイメージとは真逆の、ちょうど目の前の海のような優しい笑顔で迎えてくれた。

あこがれた「ふるさと」

 地方への移住に積極的だったのは、理絵さんの方だった。結婚前から田舎暮らしを夢見て、大阪市内の職場まで1時間半の里山で一人暮らしをしたことも。「子どもの頃に住んでいたのは大阪の新興住宅地。その後引っ越した茨城の家も今はなく、“ふるさと”と呼べる場所、足をつける場所がほしいという思いが、ずっとなんとなくありました。」思い出すのは鹿児島の祖父母の家。夏休みに過ごした山の中の家と、畑のある暮らし。そんなのどかな風景にあこがれた。

 結婚を機に、理絵さんは行動を起こす。夫婦で話し合い、二人の理想の田舎暮らしを実現させるためには、地縁のある場所の方が地域に入りやすいだろうと、茂樹さんのおじいさんが住む大三島が候補に挙がった。次に仕事だ。今治周辺では、業界のプロフェッショナルである二人に合う仕事がなかなか見つからない。フリーランスも考えたが、営業や打ち合わせで定期的に都市部へ出る必要がありそうだ。それならばと、当時所属していた会社でのテレワークを上司に相談。1年のお試し在宅テレワークを経て、なんとか移住にこぎつける。職場の理解を、二人の熱意が引き出した。

ちょうどいい田舎暮らし

 環境が変わっただけで、二人の仕事は移住後もほとんど変わらない。仕事上の連絡はチャットツールとオンラインのテレビ会議だが、物理的な距離はそれほど感じない。「限られた時間での仕事になりますが、時短でなくフルタイムでコミットできています。」と、理絵さん。仕事の合間に昼食の支度をしたり、子どもが帰ってくればすぐに食事の用意もできる。移住から5年がたち、夫婦でイメージした理想の田舎暮らしが、今では自然に馴染んでいる。

 大三島での生活を、「ちょうどいい田舎感」と二人は語る。島とはいえ、しまなみ海道の橋でつながる大三島ならば車での外出もしやすく、海や山などの自然も近い。「住んでみてすごくいいなと思うのは、自分たちが畑をしなくても、自然農法で野菜を栽培している農家さんがたくさんおられます。」と、安全でおいしい旬の野菜が手軽に手に入ることが何よりありがたいと語る。

 釣りをする茂樹さんは、趣味が高じてなんと船まで購入。釣ってきた魚が食卓にのぼることもしばしばだ。さらに身の回りには、クラフトビールの醸造所やコーヒーの焙煎所を営む人、島の害獣対策として猪肉を加工販売する人も。「種類は多くないけど、ここには厳選されたいいものがあります。むちゃくちゃQOL(Quality Of Life 生活の質)が上がったねと、よく二人で話すんです。」と、島暮らしの豊かさを語ってくれた。

 田舎の暮らしと都会の仕事。それは決して相反するものではなく、柔軟な発想と行動力さえあれば、あこがれを形にすることは可能なのだと、二人の生き方が教えてくれた。理想の暮らしの実現は、大三島を舞台にこれからも続いていく。

(取材:2021年1月)

移住Q&A 先輩に聞いてみました

Q 幸せを感じるのはどんな時ですか?

A 夫が釣った魚や親が育てた野菜、友人や知人が作った調味料やビールなどの食事をいただくとき。知っている人の手によってできた食事ができるのは、贅沢で幸せなことだなといつも思います。
それから、犬や子どもとの散歩で海岸沿いを歩いているときや、仕事中に風の音や鳥の声や姿を見るとき。瀬戸内海の素晴らしい自然環境の中で暮らしているので、ふとした何気ないときにホットします。(理絵)

A 旅行者が旅先として大三島に訪れ、楽しんで帰ってくれるのを見ると、とても良いところに暮らしているんだなぁ〜と幸せを感じます。(茂樹)

Q 移住先を決めるのに大切なことは?

A 本やメディアの情報だけでなく、実際にその場所に行ってみて、住民と話してみたときに感じた感覚(フィーリング)が大事だと思います。 次に地元の人と情報。移住(候補)先で出会った気の合う人がいれば、遠慮なく事前にでもいろいろお話したり情報を聞いて地元の情報を得るとともに、積極的に縁をつないでいき、いろんな方とお話されることをお勧めします。大三島の方は、時間さえあえば皆さん快くお話してくださると思います。(理絵)

A 新たな土地で仕事と住まいを同時に探すのはとても大変です。移住をするために仕事を辞めるのではなく、仕事をしながら移住先を探したり、2拠点生活としてお試しで地域に滞在してみるのをおすすめします。(茂樹)

今治へ移住を考えている方へメッセージをお願いします!

大三島は、瀬戸内海の穏やかな海と島々に囲まれた美しい島です。移住検討中で大三島やテレワーク島暮らしが気になる方は、ぜひお声がけください。島での生活や仕事、子育て、地域行事など、何でもお話します。(理絵)

大三島は橋がつながっているので、島といえど生活に不便はありません。また観光地でもあるのでスモールビジネスもチャレンジしやすい環境です。実際、コーヒー焙煎所や、クラフトビール工場、天然酵母のパン屋さんなど新しいお店が増えてきています。ぜひ大三島に遊びに来てください!(茂樹)

-先輩移住者の声
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